STUDIO RAY
About Us
クリッピング
レッスンメニュー

呼吸 発声 ストレッチ マッサージ アレルギー ダイエット New Topics

クリッピング

食生活と身体の改善
勉強会 1
加瀬玲子の食事メニュー 1
勉強会 2
勉強会 3
勉強会 4
勉強会 5
勉強会 6
勉強会 7
勉強会 8
勉強会 9
勉強会 10
旅公演中も自炊!
勉強会 11

再生不良性貧血とぜんそく
1 再生不良性貧血とぜんそく
2 アレルギーの記憶
3 卵巣膿腫の手術
今日嬉しかったこと
4 東京の大学病院

あなたの滑舌は大丈夫?

身近にできるケア
気圧と身体
アレルギー情報
冷え性の方に
バスタイム
アトピー情報
風邪をもらわない対策
風邪をひいたら

高野山
北海道・道東
室生寺
お伊勢さん
白山
奄美大島
九州
塩屋埼
ペルー
フィヨルドランド
ネパール

高校演劇

北海道・道東

ここ東京では先日の梅雨明け以来、真夏日が続いています。いえ、東京ばかりか日本中、北海道でさえ今年は連日の猛暑。でも実はその北海道・道東に、暑くなる直前の先月、行ってきました。


● 初日:感動のはずの径

女満別空港に着いたのは6月11日のお昼過ぎ。がっかりの冷たい雨です。空港でレンタカーを借りて、知床連山が美しく見えるという「感動の径」を通ったのに、空は雲ばかり。この辺に見えるらしいとクルマの外に出ると、寒くて寒くて、東京との温度差に身体はついていけません。そう言えばレンタカーのおじさまも「6月なのにこんなに寒いなんて」と言ってたっけ。


「感動の径」のビューポイント


雨の中を、いちおう予定した網走湖の北、能取岬まで行ってみました。澄み切ったオホーツク海と知床連山が見えるはずの岬。でもやはり雲しか見えない。しかも寒くてクルマから出られません。


網走 能取岬


6月にこの近くでロケをしていた生徒から、寒かったら厚手のダウン、暑かったら半袖、着たり脱いだりして調整できるようにと聞いていたので、重ね着用に何枚ものジャケットだのベストだのを持っていって大正解でした。教えてくれた生徒に感謝m(__)m

ともかく一日目はおとなしく知床半島の北側、斜里町のウトロに入って宿で食事、早々に就寝……。


● 2日目:知床峠~羅臼

道東2日目。ウトロは天気予報通りの曇り、時々小雨。オホーツク海の観光クルーズは翌3日目の天候に期待することにして、この日は知床峠を越えて南側の羅臼へ。羅臼で、昆布を堪能することもこの旅の大きな大きな目的のひとつです。

知床半島北側の斜里町から南側の羅臼町へ通じる、知床横断道路。今年(2017年)は、5月3日まで通行止め、5月5日までが部分開通、5月24日までは夜間規制、5月25日にやっと全日開通。そして10月の下旬にはもう通行止めになるという、1年のうち約5ヵ月しか通れない道路です。道路建設の大変さにも思いを馳せながらのドライブです……。

その知床横断道路、入ったとたんにエネルギーが変わるのを感じます。自然の素晴らしいエネルギーです。

草木が自由に存在していて人の規制が入らない、侵されていない、そんな自由な心地良いエネルギーです。知床は言わずと知れた世界遺産。この自然を守るということは後世に素晴らしい遺産を残すことだと実感できました。


知床峠の駐車場


知床峠の展望駐車場でクルマを駐めてみます。外気温はクルマの外気温計で1度! 峠は雲の中。まわりは何も見えません。柵も木々も凍り付いています。本当に寒い。クルマの外に出た瞬間に私も凍り付きそうでした。


気温1度の車外



峠を越えると、雲はだんだんと晴れてきました。太陽が燦燦と降り注いできます。でも後ろを見ると、やはり雲の中。半島の北と南とで、こんなにも天候が違うのかとびっくりしました。

途中、強い日差しの中、熊の湯温泉に寄ってみました。

そこでお会いしたおばさまは、「クルマで1時間くらいかかるけど、お湯が良いので毎週来てます」と仰っていました。心は動きましたが、今回は覗くだけでパスしました。


熊の湯温泉



横断道路を抜けて知床半島の南側を、半島の先のほうへクルマで行けるところまで行ってみます。そこでクルマを降りて、歩いて登山道の入り口を通り過ぎ、海岸をその少し先まで行ってみました。


知床半島 羅臼側の海


真っ青な海の向こうに国後島が見えます。冬はこの海にも流氷が辿り着きます。観たいなあー、でも寒いだろうな(私、とても寒がり)。

余談ですが、この日、この登山道から入山した方が一人凍死したそうです。登山道の入り口はこんなに穏やかな天候なのに、6月の山はこの辺りではまだまだ冬山なのですね。




羅臼は漁の城下町だとか。ウトロの宿で聞いてきたお勧めのお店で海の幸の昼食。それからお土産やさんで羅臼昆布と鱈の干物などを爆買い! お土産やさんの天井には、広いスペースの端から端までの長~い昆布が展示してありました。昆布ってこんなに大きくて長いんだ! びっくり。

今回の旅の目的の一つが昆布を買うこと。とにかく昆布が大好きな私は、昆布が沢山採れる土地に来てみたかったのです。皆さん知ってますか? 利尻昆布は利尻島だけではなくて、北海道の北側の割と広い範囲の昆布を言うのだそうですが、羅臼昆布と言えば、この羅臼で採れた昆布だけだそうです。利尻や日高に比べて本当に狭いエリアで採れた昆布だけなのですね。しかも昔は八十八、今でも四十を超える工程で乾燥、熟成させる手間をかけているのだとか。だから美味しいんだ。私は今回初めて知りました。やはり何でも現地に行ってみなければ。

ここで、私と昆布との付き合いをちょっとお話しさせてください。

私は肉が一切食べられません。その分頑張って魚を食べるようにしています。頑張らないと食べられないのです。頑張らずに食べられるのは獲れたてだけ。それでも少しの量しか食べられません。そこで昆布の登場です。昆布締めにする、昆布を粉末にしてかけるなどをするだけでミラクルのようにいつもの倍は食すことができるのです。昆布にはアレルギーを抑制する力が絶対にあると信じています。

私は呼吸が深くなってきたころから、色々な食材が食べられなくなってきました。その代表が肉類です。逆に身体に必要な食材はそれまでよりももっと食べたくなりました。こちらの代表が、昆布やわかめなどの海草類。他の人からするとびっくりする量の海藻を私は毎日食べています。たぶん身体が必要としているからです。そんな、私の身体にとって大切な昆布の一大産地がどんなところなのか、訪れてみたかったのでした。

昆布を堪能した後は、知床横断道路を通って半島の北側に戻りました。帰りも峠はやはり雲の中。こんなに天気も気温も違うものなんですね。


今度は半島の北側、やはり一般のクルマで行けるほぼ終点の、カムイワッカ湯の滝まで行ってみました。クルマが通れるのは毎年6月初旬から11月初旬頃まで、しかも8月はマイカー規制。レンタカーをドライブして行けるのはほんのわずかの時期だけです。

カムイワッカ湯の滝へは、山の中の細い道路を進みます。間違えようがない一本道なのですが、標識がないのでちょっと不安になります。山のエネルギーは知床横断道路ほど強烈ではないので、眠くなったりしません。でも、とても気持ちの良いエネルギーに包まれている感じです。そうなんです。私は、自然のエネルギーがとっても強いと起きていられなくなってしまうのです。まるで魂がどこかに持っていかれて気を失ってしまうような感覚です。知床横断道路では至る所で寝てしまいました。それも最高に心地良い眠りです。実は私はエネルギーの強さを、感覚と眠りで判断しています。


カムイワッカ湯の滝


カムイワッカ湯の滝は、手を入れるとちょっとぬるいお湯でした。上流に行くと温度が上がっていくそうです(そりゃそうだ)。酸性度が強いので皮膚も弱い私は手を入れるだけ。カムイワッカとはアイヌ語で神の水という意味だそうです。神様は生物をこの水に住まわせなかった。そこに何か意味があったのかしら?


● 3日目:知床クルーズと五湖

3日目は快晴。朝から3時間かけての知床クルーズに出発です。気温も昨日までのように低くはなく、日向では上着はいりません。でも心配だから重ね着用のダウンを持参。それでもクルーズの受け付けの人は、船上は寒いからとロングコートを貸してくれました。実際、船上は何と、全て着ても寒かったです。

クルーズ船からは、前日に行った湯の滝からの水が海に流れ出る、カムイワッカの滝が見えます。ヒグマの親子がいます。

3頭が一緒にいるヒグマも見ました。ガイドのお兄さん曰く珍しい光景だそうです。この季節にヒグマの親子(母と子)はよく見ても、大人のヒグマが3頭でいるところは見ないそうです。ガイドさんの推察によると雄2頭に雌1頭ではないかということ。目をこらすと、1頭の雌を争って2頭が喧嘩しているように見えます。1頭がもう1頭の頭を殴っています。しばらくすると殴られていた1頭が去っていきました。

ここでまたガイドさんのお話です。ヒグマを保護管理している団体は生息を把握していて、強い1頭の雄がいて、その雄と沢山の雌の間との子供たちが広範囲にわたって多くいるのが分かっているのだそうです。強い子孫を残すのは自然の摂理なのですね。


カムイワッカの滝を船から見る


天気がよいので羅臼岳から知床連山にかけて、よく見えました。綺麗な山並みです。その山並みの手前、岬の近くに木の生えていない広い土地が見えます。岩尾別台地です。昔の開拓地です。

調べてみると、「大正時代に入植者が現れたが退去。再び昭和20年頃から入植者が現れる。けれど農地として不適当で生活環境は最悪だったため、昭和41年に全戸が移住を決断し、それに伴い42年に岩尾別小学校も廃校となった。」そのようなことが書かれていました。そんな厳しい土地で、冬をどう乗り越え、開拓し、生活をしていたかを思うと、想像を絶します。

岩尾別小学校には私の大好きな、後の大横綱、大鵬関も1年通ったのだそうです。強い心は子供の頃の経験からも培われたのですね。大鵬関が書かれた色紙に「忍」が多いのが思い起こされました。


羅臼岳・知床連山を船から見る



さて、知床半島の最先端に到着。ここから少し先はもうロシア領です。すぐ目の前に見えるのは国後島。森繁久彌さんの知床旅情の歌声が頭の中で聞こえてきました。


知床半島の先端



知床半島での当初の目的はほぼ達成しました。他に時間に余裕があったら行こうと思っていたのが知床五湖。そこで、舟を降りてから知床五湖に直行です。

五湖全てを廻るにはガイドさんと一緒に廻らなければなりません。予約も必要です。ヒグマも活動中です。なので、今回は一湖までの往復ルート、高架木道を選びました。

高架木道を歩いていくと、先ほど海から観た知床連山が綺麗に見えます。湿原も見渡せます。山や湿原を愛でながらゆったりとした呼吸になります。こちらから見る山々は、海からの壮大さと違い、ちょっとのんびりとした山たちでした。多分私の呼吸がそうだったのでしょう。


知床五湖の湿原



一湖越しに望む知床連山



せっかく晴れた知床最終日なので、日が落ちる前にもう一度知床峠までドライブしました。この天気なら峠から羅臼岳が間近に見えるかも、と期待しての知床峠再訪です。

その思いが通じました。目の前に勇壮な羅臼岳です。来て良かった。因みにクルマの外気温度計は今度は18度でした。


晴れた知床峠


天気が良いと横断道路のエネルギーも何となく人を受け入れてくれているような、活動的なエネルギーに感じられます。多分樹々や動物も同じなんでしょうね。

<2017年7月22日 加瀬玲子>


● 4日目:弟子屈へ

3泊した知床半島ウトロを後にし、道東の旅後半は、今回の旅のもう一つの目的、湖巡りのために、2泊の予定で弟子屈(てしかが)に移動です。

途中、初日に車中から眺めながら通り過ぎたオシンコシンの滝に寄ってみました。


オシンコシンの滝


初日は雨が強かったためにスキップした滝です。下から見上げる滝と違い、この滝は中程の高さまで階段で上がることができます。

流れ落ちる滝は、迫力のある水しぶきと共に山から何かを語り掛けてくれるようでした。霊気が降り注ぐオシンコシンの滝は想像以上に私の心を和ませてくれたのです。寄って良かった。


次も同じく初日にスキップした、天に続く道にも寄ってみました。何があるって、ただ真っ直ぐな道があるだけなのですが、確かに天に道が続いているように見えます。


天に続く道


何よりもこの道を「天に続く道」と命名し、観光化した人は偉いと思いました。今回の旅で天の近くまで続いている道は一杯ありましたもの。


ラッセルルピナスとカラ松?


「天に続く道」の道路際には私たちの住まいのそばでは見たことのない植物が自生していました。

写真を撮って帰ってから調べてみたら、多分「ラッセルルピナス」と「カラ松」かと思われます。特にラッセルルピナスは色々な所で咲いていて、とても綺麗な花でした。別名「昇り藤」と言われるように、本当に藤の花が昇っていっているように見えました。


さて、知床を離れ、これも天に続く道?と思えるような真っ直ぐな道を南下して摩周湖方面に向かいます。麦やじゃがいもの畑を両側に眺めながら、途中で道の駅に寄ったりしてのドライブです。

1時間半ほどのドライブで、最初の目的地、神の子池に到着しました。

出発前に東京で、友達が弟子屈に住んでいて長期滞在をしたことがあるという生徒から、絶対行ったら良いリストを貰っていました。その中の一つがこの神の子池です。摩周湖の数キロ北に位置しています。




神の子池


神の子池は、摩周湖からの地下水が湧き出ている山の奥にある池で、摩周湖(カムイトー=神の湖)の伏流水からできているという言い伝えから「神の子」池と呼ばれているそうです(きよさと観光協会より)。

本当に不思議な色、そして澄んだ水。小さな魚が泳いでいるのが見えます。倒木も水温の低さ(8℃)から腐らないそうです。現実の世界から違う世界に入り込んだようでした。


神の子池からさらに少し南下すると、いよいよ摩周湖です。案内の道路標示に沿って展望台にたどり着くと、裏摩周展望台という看板が。神の子池に寄りたかったので摩周湖の東側を南下してきたのですが、摩周湖はこちら側が「裏」なんですね。


裏摩周展望台


「裏」だからなのか、ひとけもほとんどありません。ということで、まずは裏から摩周湖を眺めました。落ち着いたゆったりとした湖です。


裏摩周展望台からの眺め



それから摩周湖の南を大きく回って、弟子屈に向かいます。その途中、阿寒湖方面にやや足を延ばして、先述の生徒から紹介されたオーガニックのお店で遅めの昼食です。

肉類が食べられない私は、ふたりでとろろご飯の定食と、じゃがいもとチーズのグラタンを注文しました。とても丁寧に作られていた食事でしたが、残念なことに、とろろの出汁やおかずにわずかですが砂糖が入っていて沢山は頂けませんでした。またグラタンにもベーコンが入っていて私は食べられません。注文する前に確認すればよかったです。


遅めの昼食と休憩を終えて、小雨が降ったりやんだりのなか、駐車料金を払って摩周湖第一展望台でクルマを駐めたのは午後3時すぎ。やはり摩周湖は神秘的です。摩周湖を背に見る屈斜路湖やその先の阿寒富士もすばらしい景色です。今日は霧の摩周湖ではなくて、綺麗に見える摩周湖でした。

でもちょっと、この第一展望台は観光化されていて、人のエネルギーの方が強く感じられて楽しくないかな……。


摩周湖第一展望台から阿寒富士を望む



摩周湖第一展望台から硫黄山を望む



摩周湖第一展望台から屈斜路湖を望む


第一展望台から湖沿いにちょっと走ったら、第三展望台の看板が。いったんは通り過ぎてしまったのですが、気になったのでUターンして戻って上ってみると。何と素晴らしい眺望とエネルギーでしょう。やはりさっきの第一展望台は人や雑多なエネルギーに侵されていたみたい。


摩周湖第三展望台から


摩周湖はとても柔らかい懐の深い母のような女性的な湖でした。強さより柔らかさを感じます。天女が住んでいるかのようです。この展望台に来て良かった。ここなら何時間でも居たくなります。気持ちいい。


摩周湖第三展望台



第三展望台で時間を過ごした後、宿に入るにはまだ早かったので川湯温泉を経由して、屈斜路湖畔の砂湯に寄ってみました。何と、砂に手を入れると熱い温泉です。場所によって温度が違います。面白ーい。

そして美留和(みるわ)の宿へ。明日ゆっくり、屈斜路湖と阿寒方面です。


● 5日目:弟子屈から西へ

5日目。前日は屈斜路湖の東側の道を通ったので、今日は西側を走ってみることにしました。

屈斜路湖の南から、西側の道を北上してすぐ、湖に突き出た和琴半島に何気なく足を踏み入れました。何かの力に引っ張られたようです。自然のエネルギーとは違う何かです。進んでいくとちょっとくらくらします。そのパワーに導かれて行った先には、何と神社がありました。

最初、木々の先に鳥居が見えました。でも近づいてみるとそれは鳥居ではなく、左右から茂る木の枝でした。でもこれが第一の鳥居なのでしょうか。そしてここからが参道のようです。


屈斜路神社の参道


木々に囲まれた短い参道を進むと、実際の鳥居がありました。屈斜路神社です。何も知らずに足を踏み入れたのですが、素晴らしいパワーです。力強いです。自分がしっかりしないと、負けてしまいそうなくらいのパワーです。こちらの神様が屈斜路湖を守っていらっしゃるのだとしたら、本当に力強い湖だと思います。


屈斜路神社


この湖には力強い竜神様でも住んでいらっしゃるのではないかと思ったら、ふとそう言えば屈斜路湖で「クッシー」だったなーと、関係ありそうで関係ないことを思い出しました。

そして、遊歩道を歩いて半島を一周しました。起伏もかなりある約1時間ちょっとの行程です。眺めも素晴らしく、沢山の植物たちにも出会いました。途中お会いした小グループの一人の方が趣味で草花の勉強をなさっているとかで、グループの方たちに説明されていました。私もちょっと遠くから聞かせてもらいました。

軽い喘息が出始めている私にはちょっときつい一周でしたが、とても気持ちの良いウォーキングでした。


和琴半島から



その後は屈斜路湖から離れて、阿寒横断道路を西へと向かいます。阿寒湖畔で昼食をとって給油、でも阿寒湖自体は見ずに素通りしました。何故だか寄る気にならなかったので。

それから、前がほとんど見えないほどの霧の中を走り続けて、ようやくオンネトー湖に到着。この湖も生徒からの是非行ったほうが良いリストの一つです。


オンネトー湖


何と不思議なエメラルドグリーンなのでしょう。写真ではあの神秘的な色が再現できず伝えられなくて残念です。山の中でひっそりとした佇まいの派手さのない湖です。

遊歩道も完備されているので、約35分という湖岸沿いのコースを歩いてみたかったのですが、喘息が心配なので今回は断念しました。

ぜひ再訪と思いながら引き上げようとした矢先、駐車場の奥に、車が入れないように柵が設けられている道を見つけました。足を一歩踏み入れると、そこはびっくりするほどの別世界です。今まで経験したことがない自然のエネルギーです。湯の滝への往復で約1時間2.8キロの遊歩道のコースの入り口でした。

このエネルギーを体感せずに帰るなんて、そんなもったいないことはできません。喘息と相談しながら行ける所まで行くことにしました。

覚悟を決めて、休み休み奥へと歩いていくと、呼吸は楽になってきても酷くはなりません。さすがにこのエネルギーは私の喘息さえも楽にしてくれるのです。湯の滝までたっぷりと、素晴らしいエネルギーを呼吸できました。


オンネトー湯の滝


ところが素晴らしいエネルギーと裏腹に、着いた先で湯の滝の解説を読んでびっくりし、悲しくなりました。ここは現在に至るまで世界で唯一マンガンが自然に生成されていた場所だったのだそうですが、心無い人が外来生物を持ち込んだせいで藻が食べつくされ生態系が崩れて、今は生成されなくなってしまい、現在は対策工事中だそうです。私が感じたエネルギーは、本当に深い古来からの強いエネルギーだったようです。


和琴半島とオンネトー湯の滝のウォーキングでたっぷりとエネルギーをもらい、あとはもう宿まで帰るだけです。でも帰路は周りが見えなかった往きと違い少しだけ霧が薄れてきたので、阿寒湖を通り過ぎた先の展望台に寄ってみると、霧のなかにうっすらと湖が見えました。地図を調べるとペンケトーという湖らしいです。


阿寒横断道路 双湖台から


余談ですが、この展望台で元売店だったと思われる壊れかけた小屋の前で崩れそうな柵越しに湖を眺めて休憩していたら、駐車場からの階段を上ってくる40代くらいの男性が「そこから何か見えますかー?」と声をかけてきました。何も見えないのならそのまま引き返すつもりなのでしょう。「湖が見えますよー」と答えると、ホッとしたような表情を浮かべて、上まで上ってらっしゃいました。

話をうかがうと、今朝摩周湖に行ったのに視界ゼロの霧でまったく何も見えなかった、そしてそのあとここまで来てみてもずっと霧ばかりだとのこと。私たちは昨日摩周湖がよく見えた、今日は屈斜路湖もオンネトー湖も素敵だったと話すと、可哀想なくらい残念そうです。

そうこうしばらく話をしていると、下から女性が上ってきます。この男性の奥さまなのでしょう。きっと「階段を上れば景色が見えるかな」「見えないと嫌だから一人で行って見えたら呼んでちょうだい」「えー、わかったよ」なんて会話をして、にもかかわらず旦那さんが行ったきりなので、しびれを切らして様子を見にいらしたのでしょう。……などと勝手な想像をしながら、ご挨拶をして失礼しました。

さらに余談ですが駐車場に降りると、私たちのレンタカー以外にもう1台だけ駐まっていたクルマでは、後部座席に若い男性が一人、携帯ゲームに勤しんでいました。



ところで、先ほども書いたとおり私は砂糖が入ったものは食べられません。アレルギーの症状が出て、喘息を誘発するからです。でも前回書いた肉類とは違って呼吸で食べられなくなったのではなくて、ラッキーなことに子供の頃から甘いものは一切食べられなかったのです。甘いものに対しては、天性に身体を守る力が備わっていたのかも(笑)。

でも実は今回の旅の3日目の夜から喘息が出始めました。3日間外食が続いたツケが出てきたようです。ダメな食材をどんなに抜いて食べても、料理に入っている砂糖や化学調味料を抜くことはできません。少しずつ少しずつ私の身体にそれらが入ったようです。この時ばかりは西洋医学の薬の力を借りて喘息を乗り切りましたが、砂糖は喘息に禁物!と改めて思いました。

もともと弟子屈の宿には私がアレルギー症状を起こす素材を大まかには伝えてあったのですが、1泊めの食事には細かくは伝えなかった食べられない食材が含まれていました。ただの外食なら食べられない食材は同行する誰かに食べてもらうのですが、丁寧に心を込めて出してくださるせっかくの食事でそうするのは非常に残念です。やはり大まかではダメだと考え、この日の朝、食べられない食材を詳細に伝えてお願いし、2泊めはそれらをすべて使わないおいしい食事を作っていただきました。心地よい時間を提供してくださった宿のご主人と奥さま、本当にありがとうございました。


● 6日目(最終日):霧の摩周湖

最終日。予約した飛行機は昼過ぎの便です。天気がよいので晴れた摩周湖を見たくて、朝早めに宿を出て、摩周湖第三展望台に再び行ってみました。

すると、摩周湖の湖面に霧。裏摩周のほうから雲が湖面に流れ落ち、湖面に霧が溜まってただよっているのです。これが「霧の摩周湖!」とばかり私は大喜びです。また、私の頭の中で布施明さんの「霧の摩周湖」の歌が流れます。


霧の摩周湖


ずっと見ていると、気温が上がってきたのか霧がだんだん薄まってきました。


摩周湖の霧が晴れていく


いつまで見ていても見飽きない。もっと此処に居たい。もっとこの湖に抱かれていたい。そう、何だか母性に抱かれているような、そんな気持ちになりました。そんなこんなを思いながらも摩周湖を後にしました。


道東の旅の最後に、川湯温泉の大鵬相撲記念館に寄りました。子供の頃に大鵬のファンだった私は、岩尾別台地での過酷な時を過ごした大鵬関の歴史を見てみたかったのです。


大鵬相撲記念館


ここには大鵬関に関わる数々の資料が展示されていました。あるものは懐かしかったり、あるものは珍しかったり。

その展示のなかに「四色の房」がありました。強いエネルギーです。説明を読んでみると、それぞれの色でそれぞれの神様を表しているのだそうです。でも単に表しているだけでなく、神様はこの房に本当に宿っていたように思われました。


四色の房



いよいよ旅も終わり。屈斜路湖の北を抜けて帰る途中、藻琴山展望駐車公園から最後の眺めです。屈斜路湖のエネルギー強かったな。摩周湖は優しかったな。オンネトー湖は素晴らしかったな。などと思いながら屈斜路湖を眺めて旅を終えました。




藻琴山展望駐車公園から屈斜路湖を望む



女満別空港でレンタカーを返す直前、トリップメーターは802.7km。5泊6日の旅は終わりです。楽しかった! 再訪を楽しみに帰京しました。是非、皆さまも現地に行って沢山の色々なエネルギーを感じてみてください。


● 追伸:お土産

いろんな羅臼昆布を爆買いしてきました。これはその一部。


羅臼昆布


<2017年8月11日 加瀬玲子>


スタジオ・レイ  〒168-0064 東京都杉並区永福4-19-7 ヴォイスィングビル

Copyright (C) 1999-2023, Studio Ray. All Rights Reserved.