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奄美大島

久しぶりの旅行記です。2月19日から5日間、奄美大島に行ってきました。

2月20日に、私の生徒のひとりが奄美大島でライヴを行ないました。そのケアに行くのを兼ねて、初めての奄美を体感しようと思った旅行でした。
実は最初に「大島」と聞いた時には、てっきり伊豆大島だと思い込んで、ちょっと遠いけど「行くよ」と言ってしまったのですが、後で奄美だと分かり、ちょっとどころかその遠さに躊躇。でもこの際、思いきって行っちゃえーっと、奄美に出発。

●奄美大島初日

奄美大島一番の繁華街、名瀬には夜に到着。まずは、民謡を聴かせてくれるという「吟亭」に夕飯を食べに行きました。

奄美の名物「油ソーメン」や、多分その日の朝に捕れたと思われる新鮮な地魚のさしみ、奄美にしかないという「はんだま」の和え物、テラダ貝などを堪能。

お腹が足りてきた頃に、今まで厨房で忙しく働いていた女将が、ステージに上がります。こちらでは、民謡は聴かせてもらうだけではなく、参加するものらしく、私も知らない民謡を一緒に唄い、誘われるままに皆さんと踊りまくってしまいました。

奄美の人たちは、唄うのも踊るのも生活の中に溶け込んでいるようです。私は何の違和感もなく、その輪に入って楽しみました。お店の人たちもお客さんたちもフレンドリーで優しい人たちです。

奄美大島初日満喫。

<2011年3月2日 加瀬玲子>


●金作原原生林

2日目は朝早くから、金作原(きんさくばる)原生林のツアーに参加。奄美の森を代表する金作原原生林は、亜熱帯性植物の宝庫です。

前日の天気予報は強雨。目が覚めた時にはやはり雨。しかし諦めていた天気も、ホテルを出る頃にはすっかり上がり、太陽が顔を見せてくれました。ガイドの方の話だと、雨続きで晴れは久しぶり。原生林の間から太陽が見られるのはラッキーだったそうです。


やはり、何と言っても眼に入るのは、超大型のシダ「ヒカゲヘゴ」です。葉の間からの木漏れ日が美しい。他にも沢山の亜熱帯性植物の中を散策出来て、エネルギー充電です。

森はそれぞれが生きる術を身につけているのだなーと感じました。樹々は倒れても立ち上がり、花を咲かせ木の実を落とし、それを動物が食べる。至る所に、木の実の殻が落ちていました。

森は昨年の台風にも負けていませんでした。被害の痕跡はまだ至る所で見られます。でも、そのほとんどが人が作った道路のそばだったりするのです。樹々の根のはっている所は、土砂崩れなどの被害はないのです。改めて、自然の力は偉大だと思いました。

そしてこの日の夜がライヴです。ライヴ終了後の打ち上げでは、島の皆さんの人柄や、シマを愛していらっしゃることが、とても伝わってきました。

その話の中から一つ。シマ唄=島唄だと思っていませんか? 実はシマ唄のシマは島ではなく「集落」のことなのだそうです。

奄美大島は海が隆起して山のてっぺんが残った島で、実は海岸沿いも、元々は山の上の方なのだそうです。現在は道路ができて、集落と集落の交流は可能ですが、昔は隣の集落に行くのは原生林の険しい山を越えるか、海から回るかしなければ辿り着けなかったのです。そこでそのシマ独特の音楽や唄が構築され、それをシマ唄と言うそうです。

そういえば、海の傍にいながら、私の大好きな山のエネルギー。この話を聞いて納得しました。

この話一つとっても興味深いでしょう? この他にも興味深い話が沢山。時間を忘れて、素敵な夜を過ごさせて頂きました。島の皆さん、楽しいひとときをありがとうございました。

<2011年4月10日 加瀬玲子>


●マングローブ

ライブの翌日、朝からマングローブを見に行きました。私達が訪れたのは、住用村マングローブ国定公園、役勝川と住用川の合流するデルタ地帯の河口です。

皆さん、マングローブの意味はご存じですか? 実は私、マングローブは植物の固有名詞だとばかり思っていました。ところが、熱帯や亜熱帯地方で淡水と海水が入り混じる沿岸(河口)に生息する森林、樹木のことを言うのだそうです。

一般的な植物は海水に浸ると死んでしまいます。それを証明するように、昨年の台風で河に倒れていたヒカゲヘゴが、水に浸って枯れていました。ヒカゲヘゴは海水では生きられないのです。


河面からマングローブを見るためには、自力でカヌーを漕いでいくか、ボートに乗るかのどちらかを選択します。私は、ボートに乗り船頭さんの話を聞くことにしました。

船頭さんの話では、この一帯のマングローブは主としてメヒルギ(メス)・オヒルギ(オス)からなる、世界で一番きれいなマングローブ群生地帯だそうです。手前味噌にも聞こえますが、この不思議な植物がこれだけきれいに生え揃っているのを見ると、本当にそうなんだなと思えます。

アリ塚のように見える、土が盛り上がった小山はシャコの巣です。マングローブの林には、沢山の甲殻類や貝、魚たちが生息しているそうです。原生林の神秘さとはまた違った植物や生き物たちに、自然の偉大さ、地球のすばらしさを感じました。

植物も人を含めた生き物も、その土地や環境に応じて自分たちの生きる術を身につけている。なんと素敵な事でしょう。

午後、この日から二泊するヤドリ浜に到着。

透き通った穏やかな海。ここに存在できたことを、神様に感謝します。

<2011年4月28日 加瀬玲子>


●大島海峡

今日も朝から最高のお天気です。ゆっくりと朝食を頂いた後、のんびりとコーヒーを飲みながら海辺にいたらびっくり、2時間以上もぼーっとしていたことが判明。この海は心も身体も本当にのんびりとさせてくれます。


まる一日をここで過ごしてもよい気分だったのですが、熱帯魚や珊瑚を間近に観察することができる半潜水船があると聞き、出かけました。

船の発着所のある古仁屋まで、ホテルのモーターボートで海からの移動です。途中、奄美大島と加計呂麻島にはさまれた大島海峡に面した美しい入江、呑之浦(のみのうら)を抜けていってもらいました。

この呑之浦には、第二次大戦中、モーターボートによる特攻の基地があったのです。私事ですが、亡き父はこの特攻隊員のひとりでした。長崎の諫早からこの島に渡り、特攻の待機をしていたらしいのです。状勢が変わったから待機しろと言われ、待った末の終戦だったそうです。当時18歳だった父や仲間たちがどんな気持ちでここにいたかと思うと、涙が出て止まりませんでした。


大島海峡の海中は、それはそれは美しい珊瑚や魚たちに覆われていました。私もこの生き物たちと同じ生き物だと思うと、心も身体も清く美しく生きなければと前向きな気持ちになれます。人のエゴが自然を破壊するのではなく、共に生きられる道に進んで行きたいですね。

夕方に、ヤドリ浜から岬の裏側のホノホシ海岸に行ってみました。


ほのぼのとしたヤドリ浜のすぐ隣だとは思えない力強い波です。この海岸は太平洋側に面していて、海岸の石は全て丸くなるほどの強い波で、押し寄せ引く波の音は、この石にぶつかり石が転がり、砂浜では聴くことのできないごろごろとした音です。


実は「ホノホシ」を「ホノボノ」と読み間違えた人から話を聞いていた私は、全然ほのぼのじゃないじゃないと思ったのでした……。

<2011年5月2日 加瀬玲子>


●奄美大島 最終日

素敵な日々の最終日は、抱いて演奏できる小さな琴を制作されている盛島さんに会いに行きました。自由人の代表のような盛島さん。その弾き方も完全に自己流で、自分の思うがままに楽しんでいらっしゃいました。


「だいたい、明治維新で西洋音楽が入って来ておかしくなった。音楽はこうでなくちゃならないっていうのが間違ってる。音楽は好きにやるのが一番だ」と盛島さん。

私の尊敬する小泉文夫先生(民族音楽学者・故人)も、『日本音楽の再発見』の中で、日本の音楽教育の西洋音楽への偏りに対して、いみじくも同じことを仰っています。日本を代表する学者と、音楽がただ大好きなだけの人の言葉が同じだなんて、素敵じゃありませんか。

他にも、盛島さんの言葉の一つ一つが私には得心がいくものだったり、発想が面白かったり(失礼)。とにかく、楽しい時間でした。わんちゃんも自由犬でかわいいでしょう!

盛島さんちの子犬たち


奄美で最後に訪れたのは、奄美きょら海工房。初日の夜に民謡を聴きに行ったお店でお会いした、松山さんが経営なさっている純黒糖のお店です。


こちらでは、お店の裏の工房で、さとうきびから手作業で黒糖を作っています。早速見学させてもらいました。そして出来たての黒糖を一口。まだ暖かいままで、甘いのにしょっぱい。何とも言えない味です。そして、さとうきびを搾っただけの、搾りたてのさとうきびジュース。天然、無添加、出来たて。

さとうきびを搾った汁を煮詰めただけの“純”黒糖

どれをとっても美味しそうでしょう? そう、甘いものが苦手な私でも美味しく頂けたのですから、びっくりです。

私はそもそも、甘いものが食べられません。単に「嫌い」ということではなく、甘いものを口に入れた瞬間から具合が悪くなるのです。ところが、どうでしょう。この純黒糖は、その具合の悪さが全く起きません。

私は、呼吸や発声、歌唱、演技指導の一環として、トータル的に生徒さんの身体の面倒をみるために、食事についてのアドバイスもしています。そんな中で、実は黒糖に関する質問には答えられませんでした。一般的に甘いものは身体に良くないのですが、黒糖は例外だと言われています。だから「黒糖なら食べてもいい?」と生徒さんたちから何度も尋ねられたのですが、これまでは「わからない」としか答えられなかったのです。でも今後は、「“純”黒糖なら大丈夫」と身をもって言えそうです。


沢山の思い出やエネルギーを充電して東京に帰って来ました。
奄美の皆様、自然、ありがとうございました。

<2011年6月18日 加瀬玲子>


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