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スタジオ・レイからの最新情報のコーナーです。

加瀬をはじめ、講師・スタッフたちの日常のコラムや旅行記なども載せていきます。以前に掲載したコラムなどはクリッピングでご覧ください。

● 北海道レポート

2017年7月22日


ここ東京では先日の梅雨明け以来、真夏日が続いています。いえ、東京ばかりか日本中、北海道でさえ今年は連日の猛暑。でも実はその北海道・道東に、暑くなる直前の先月、行ってきました。


初日:感動のはずの径

女満別空港に着いたのは6月11日のお昼過ぎ。がっかりの冷たい雨です。空港でレンタカーを借りて、知床連山が美しく見えるという「感動の径」を通ったのに、空は雲ばかり。この辺に見えるらしいとクルマの外に出ると、寒くて寒くて、東京との温度差に身体はついていけません。そう言えばレンタカーのおじさまも「6月なのにこんなに寒いなんて」と言ってたっけ。


「感動の径」のビューポイント

雨の中を、いちおう予定した網走湖の北、能取岬まで行ってみました。澄み切ったオホーツク海と知床連山が見えるはずの岬。でもやはり雲しか見えない。しかも寒くてクルマから出られません。


網走 能取岬

6月にこの近くでロケをしていた生徒から、寒かったら厚手のダウン、暑かったら半袖、着たり脱いだりして調整できるようにと聞いていたので、重ね着用に何枚ものジャケットだのベストだのを持っていって大正解でした。教えてくれた生徒に感謝m(__)m

ともかく一日目はおとなしく知床半島の北側、斜里町のウトロに入って宿で食事、早々に就寝……。


2日目:知床峠~羅臼

道東2日目。ウトロは天気予報通りの曇り、時々小雨。オホーツク海の観光クルーズは翌3日目の天候に期待することにして、この日は知床峠を越えて南側の羅臼へ。羅臼で、昆布を堪能することもこの旅の大きな大きな目的のひとつです。

知床半島北側の斜里町から南側の羅臼町へ通じる、知床横断道路。今年(2017年)は、5月3日まで通行止め、5月5日までが部分開通、5月24日までは夜間規制、5月25日にやっと全日開通。そして10月の下旬にはもう通行止めになるという、1年のうち約5ヵ月しか通れない道路です。道路建設の大変さにも思いを馳せながらのドライブです……。

その知床横断道路、入ったとたんにエネルギーが変わるのを感じます。自然の素晴らしいエネルギーです。

草木が自由に存在していて人の規制が入らない、侵されていない、そんな自由な心地良いエネルギーです。知床は言わずと知れた世界遺産。この自然を守るということは後世に素晴らしい遺産を残すことだと実感できました。


知床峠の駐車場

知床峠の展望駐車場でクルマを駐めてみます。外気温はクルマの外気温計で1度! 峠は雲の中。まわりは何も見えません。柵も木々も凍り付いています。本当に寒い。クルマの外に出た瞬間に私も凍り付きそうでした。


気温1度の車外


峠を越えると、雲はだんだんと晴れてきました。太陽が燦燦と降り注いできます。でも後ろを見ると、やはり雲の中。半島の北と南とで、こんなにも天候が違うのかとびっくりしました。

途中、強い日差しの中、熊の湯温泉に寄ってみました。

そこでお会いしたおばさまは、「クルマで1時間くらいかかるけど、お湯が良いので毎週来てます」と仰っていました。心は動きましたが、今回は覗くだけでパスしました。


熊の湯温泉


横断道路を抜けて知床半島の南側を、半島の先のほうへクルマで行けるところまで行ってみます。そこでクルマを降りて、歩いて登山道の入り口を通り過ぎ、海岸をその少し先まで行ってみました。


知床半島 羅臼側の海

真っ青な海の向こうに国後島が見えます。冬はこの海にも流氷が辿り着きます。観たいなあー、でも寒いだろうな(私、とても寒がり)。

余談ですが、この日、この登山道から入山した方が一人凍死したそうです。登山道の入り口はこんなに穏やかな天候なのに、6月の山はこの辺りではまだまだ冬山なのですね。



羅臼は漁の城下町だとか。ウトロの宿で聞いてきたお勧めのお店で海の幸の昼食。それからお土産やさんで羅臼昆布と鱈の干物などを爆買い! お土産やさんの天井には、広いスペースの端から端までの長~い昆布が展示してありました。昆布ってこんなに大きくて長いんだ! びっくり。

今回の旅の目的の一つが昆布を買うこと。とにかく昆布が大好きな私は、昆布が沢山採れる土地に来てみたかったのです。皆さん知ってますか? 利尻昆布は利尻島だけではなくて、北海道の北側の割と広い範囲の昆布を言うのだそうですが、羅臼昆布と言えば、この羅臼で採れた昆布だけだそうです。利尻や日高に比べて本当に狭いエリアで採れた昆布だけなのですね。しかも昔は八十八、今でも四十を超える工程で乾燥、熟成させる手間をかけているのだとか。だから美味しいんだ。私は今回初めて知りました。やはり何でも現地に行ってみなければ。

ここで、私と昆布との付き合いをちょっとお話しさせてください。

私は肉が一切食べられません。その分頑張って魚を食べるようにしています。頑張らないと食べられないのです。頑張らずに食べられるのは獲れたてだけ。それでも少しの量しか食べられません。そこで昆布の登場です。昆布締めにする、昆布を粉末にしてかけるなどをするだけでミラクルのようにいつもの倍は食すことができるのです。昆布にはアレルギーを抑制する力が絶対にあると信じています。

私は呼吸が深くなってきたころから、色々な食材が食べられなくなってきました。その代表が肉類です。逆に身体に必要な食材はそれまでよりももっと食べたくなりました。こちらの代表が、昆布やわかめなどの海草類。他の人からするとびっくりする量の海藻を私は毎日食べています。たぶん身体が必要としているからです。そんな、私の身体にとって大切な昆布の一大産地がどんなところなのか、訪れてみたかったのでした。

昆布を堪能した後は、知床横断道路を通って半島の北側に戻りました。帰りも峠はやはり雲の中。こんなに天気も気温も違うものなんですね。


今度は半島の北側、やはり一般のクルマで行けるほぼ終点の、カムイワッカ湯の滝まで行ってみました。クルマが通れるのは毎年6月初旬から11月初旬頃まで、しかも8月はマイカー規制。レンタカーをドライブして行けるのはほんのわずかの時期だけです。

カムイワッカ湯の滝へは、山の中の細い道路を進みます。間違えようがない一本道なのですが、標識がないのでちょっと不安になります。山のエネルギーは知床横断道路ほど強烈ではないので、眠くなったりしません。でも、とても気持ちの良いエネルギーに包まれている感じです。そうなんです。私は、自然のエネルギーがとっても強いと起きていられなくなってしまうのです。まるで魂がどこかに持っていかれて気を失ってしまうような感覚です。知床横断道路では至る所で寝てしまいました。それも最高に心地良い眠りです。実は私はエネルギーの強さを、感覚と眠りで判断しています。


カムイワッカ湯の滝

カムイワッカ湯の滝は、手を入れるとちょっとぬるいお湯でした。上流に行くと温度が上がっていくそうです(そりゃそうだ)。酸性度が強いので皮膚も弱い私は手を入れるだけ。カムイワッカとはアイヌ語で神の水という意味だそうです。神様は生物をこの水に住まわせなかった。そこに何か意味があったのかしら?


3日目:知床クルーズと五湖

3日目は快晴。朝から3時間かけての知床クルーズに出発です。気温も昨日までのように低くはなく、日向では上着はいりません。でも心配だから重ね着用のダウンを持参。それでもクルーズの受け付けの人は、船上は寒いからとロングコートを貸してくれました。実際、船上は何と、全て着ても寒かったです。

クルーズ船からは、前日に行った湯の滝からの水が海に流れ出る、カムイワッカの滝が見えます。ヒグマの親子がいます。

3頭が一緒にいるヒグマも見ました。ガイドのお兄さん曰く珍しい光景だそうです。この季節にヒグマの親子(母と子)はよく見ても、大人のヒグマが3頭でいるところは見ないそうです。ガイドさんの推察によると雄2頭に雌1頭ではないかということ。目をこらすと、1頭の雌を争って2頭が喧嘩しているように見えます。1頭がもう1頭の頭を殴っています。しばらくすると殴られていた1頭が去っていきました。

ここでまたガイドさんのお話です。ヒグマを保護管理している団体は生息を把握していて、強い1頭の雄がいて、その雄と沢山の雌の間との子供たちが広範囲にわたって多くいるのが分かっているのだそうです。強い子孫を残すのは自然の摂理なのですね。


カムイワッカの滝を船から見る

天気がよいので羅臼岳から知床連山にかけて、よく見えました。綺麗な山並みです。その山並みの手前、岬の近くに木の生えていない広い土地が見えます。岩尾別台地です。昔の開拓地です。

調べてみると、「大正時代に入植者が現れたが退去。再び昭和20年頃から入植者が現れる。けれど農地として不適当で生活環境は最悪だったため、昭和41年に全戸が移住を決断し、それに伴い42年に岩尾別小学校も廃校となった。」そのようなことが書かれていました。そんな厳しい土地で、冬をどう乗り越え、開拓し、生活をしていたかを思うと、想像を絶します。

岩尾別小学校には私の大好きな、後の大横綱、大鵬関も1年通ったのだそうです。強い心は子供の頃の経験からも培われたのですね。大鵬関が書かれた色紙に「忍」が多いのが思い起こされました。


羅臼岳・知床連山を船から見る


さて、知床半島の最先端に到着。ここから少し先はもうロシア領です。すぐ目の前に見えるのは国後島。森繁久彌さんの知床旅情の歌声が頭の中で聞こえてきました。


知床半島の先端


知床半島での当初の目的はほぼ達成しました。他に時間に余裕があったら行こうと思っていたのが知床五湖。そこで、舟を降りてから知床五湖に直行です。

五湖全てを廻るにはガイドさんと一緒に廻らなければなりません。予約も必要です。ヒグマも活動中です。なので、今回は一湖までの往復ルート、高架木道を選びました。

高架木道を歩いていくと、先ほど海から観た知床連山が綺麗に見えます。湿原も見渡せます。山や湿原を愛でながらゆったりとした呼吸になります。こちらから見る山々は、海からの壮大さと違い、ちょっとのんびりとした山たちでした。多分私の呼吸がそうだったのでしょう。


知床五湖の湿原


一湖越しに望む知床連山


せっかく晴れた知床最終日なので、日が落ちる前にもう一度知床峠までドライブしました。この天気なら峠から羅臼岳が間近に見えるかも、と期待しての知床峠再訪です。

その思いが通じました。目の前に勇壮な羅臼岳です。来て良かった。因みにクルマの外気温度計は今度は18度でした。


晴れた知床峠

天気が良いと横断道路のエネルギーも何となく人を受け入れてくれているような、活動的なエネルギーに感じられます。多分樹々や動物も同じなんでしょうね。

つづく

<加瀬玲子>



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